ルパン達は昇の家から引き上げると、すぐにアジトへと戻った
彼から聞いた組織の名を調べるために


の両親を殺した奴らだ……何するか分かんねえぞ」


帰り道の車の中で、怒りを込めた声でルパンが呟いた

アジトで出迎えてくれたのは、不二子で
彼女もまたがいるものだと
三人の後ろに続くはずの影がない事に気づき、ひどく狼狽えた


「……どうしてがいないの?」

は……」

「帰るのを嫌がったの? なら、今度は私が迎えに行くわ」

は、両親を殺した組織に連れて行かれたんだ……」


玄関へと駆け寄った不二子に、ルパンの痛切な声が届く
驚愕の表情で振り返った彼女は、震える手で自分の口元を押さえた


「お願いルパン……嘘だって言って……ねえ、言ってちょうだいよ!」

「こんな嘘、吐く筈がないだろ? 一刻も早くを探すんだ」


ルパンがそっと不二子の肩を抱き、リビングへと連れて行く
次元と五ェ門も、その後に続いた

次元は横目で、五ェ門の斬鉄剣を握る手が震えている事に気がついた
表情は普段どおり、口を一文字に結び冷静さを装っているが
とても動揺している事がありありと分かる

かくいう次元本人も、自分がひどく焦っている事を真摯に感じていて
リビングの扉を開ける手が乱暴な事に、苦笑した


「medicinaはこの世界では最近になって頭角を現し始めた組織だ」


ルパンがパソコンに何かを打ち込みながら、話す
その話を聞き逃さないよう、三人は周りを固め耳を澄ました


「密輸から兵器開発、それこそ手広くやってるってぇ噂だ」


打ち込みを止め、画面を三人に見えるように回転させる
そこにはいくつかのファイルが浮んでおり、一番手前にmedicinaと書かれたファイルが表示されていた

そのファイルに写されているのは、白髪の男


「こいつが組織の頭か?」

「ああ、名前はチャールズ・ウィッカード。組織が立ち上げられた直後は下っ端だったんだが、当時の頭を殺してのし上がったらしい」

「確かに、色々企んでそうな顔だな」

「こいつが、の両親を殺した張本人だ」


ルパンはもう一度パソコンの画面を回転させると、また打ち込みを始める
組織のファイルにハッキングをかけ、アジトを割り出そうとしているのだ


の両親に、組織に協力するよう脅したんだが、二人は断ったんだ。そのせいでコイツに殺された」


後は分かるだろ? とルパンは顔を上げて三人を見回す


「おいおい……」

「どうした! ルパン!」


突然頭を抱えたルパンに、五ェ門が寄る
パソコンを覗き込むと、画面にはErrorの表示が


「アジトの場所にハッキングした途端、これだ」

「……お主の技術力でもダメなのか?」

「いや、時間がかかりそうだけんども、絶対に開かせてやる」


悪ぃが、次元達も情報仕入れてきてくんねえか?
目線をあげそう言うルパンに、それぞれが頷く





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