とある日、ルパンからを連れ出して欲しいと頼まれた不二子と
不二子に連れられて、ショッピングをしている
街中のカフェで休憩を取っていた


「相変わらず、自分の物はあんまり買わないのね」

「そう? これでも、すごく贅沢させてもらったよ?」


そう言うの横には、紙袋が一つ。それ程大きくない、淡い水色の物
対してコーヒーを飲む不二子の横には、これでもか、と言うくらい山積みになった品物
「これで好きな物買ってやってくれ」とルパンから渡されたカードで
二人は好きなように買い物をした、その結果だった

のもとに、ウェイトレスがココアを運んできた
ココアをお礼を言いながら受け取ると、彼女は両手でカップを包みながら飲み始める


「前にも、こんな風に二人でお茶したわね」

「そうだね。確か私が五ェ門の昔の写真を見つけた時が最後だっけ?」


あの時は大変だったなー、とは笑いながらまた一口、ココアを飲む
そんな彼女を不二子は愛おしそうに眺めた


「ね、

「ん?」

「五ェ門と結婚するんだってね」


ごふっ、とカップの中でココアを逆流させ、は驚きの目で不二子を見る
「一体誰から聞いたの?!」と顔を赤くして聞く彼女に
不二子は笑いながら、ハンカチを渡した


「ルパンよ。あなた達がこっちに来てから、ようやく五ェ門が白状したって」


まだむせながら口元を拭くに、不二子がそう告げる

が誘拐されてから、一度中止になった当時の計画を
三日ばかり遅れてから実行した彼らは、その計画が成功し次第すぐにそのアジトを発った
あの組織の残党が、いつ襲撃してくるかも分からないのと
何より、にとってあの地はあまりいい思い出が残る場所ではなかったから

それまで、ルパン達にからかわれたくなかったのか
五ェ門はに結婚を申し込んだ事を一切話していなかった

しかし、あまりにもと接する態度がおかしい事から
今のアジトに移った時に、すぐバレてしまったようだ


「もうおかしかったわよ。大笑いしながら報告するルパンの後ろで、五ェ門が叫んでたの」

「……ああ、そう言えばあの時、私はキッチンにいたんだっけ」


はまだ赤い頬に、手の平で風を送っている


「……籍はどうするの?」


不二子は、コーヒーのお代わりをウェイトレスに頼むとに聞いた


「そうだね……入れたいけど、入れる籍が私にはないし」


苦笑いでそう言うに、不二子は少しだけ目を伏せる
は明るく「でも、一緒にいられるだけで幸せだよ」と笑った


の本籍は、日本よね?」

「うん、そうだけど?」


不二子は意味深に頷くと、湯気のたつ新しいコーヒーにピンク色の唇を近づけた
「次のお店はどこにしようかしら?」と普段通りの笑みを浮かべた不二子に
が慌てて「どこでもいいよ」と返答した





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