まだ両手で数える程しか重ねられていない体同士が、汗ばむ
は五ェ門から与えられる快感に、必死に追いつこうと反応を返し
また彼も回数を増やす毎に、の体を開発していく喜びを覚えていた


「……っあ……」


場所はアジトの中の、五ェ門に宛がわれた部屋
薄い布団の上で、荒い息遣いのが五ェ門を見上げている

その首筋や鎖骨部分には、すでにいくつもの赤い華が咲いていて
満足そうにそれを眺めた五ェ門は、ふと動きを止めた


「ごぇ……もん?」


普段なら、このまま流れに任せて最後の仕上げに移る筈が
は薄っすらと目を開け、五ェ門の様子を窺う
彼は何かを考えているようで、少しだけ眉間に皺を寄せていた


「どうか、したの?」

「いや……」


羽織っただけの状態の着物が、五ェ門の動きに合わせて揺れる
どちらかと言えば脱がされる側のは、一糸纏わぬ姿

五ェ門の体が少し離れると、恥かしそうに足を閉じ
胸元を両腕で隠した


「と、途中で止められると……あの、恥かしいんだけど……」


は片腕を小さく上げ、五ェ門の腕に触れた


「そろそろ頃合かと思う」

「へ?」


突拍子もないセリフが飛び出し、は思わず間抜けな声をあげた
五ェ門はそれすらも聞こえないように、彼女の唇へと口づけ
それはひどく荒々しい物で。無理矢理抉じ開けた口の隙間から舌を入れる

急な展開に、は目を白黒させながらも
口から広がる新しい快感に、意識が飛びそうになるのを堪えて


「……新しい事に挑戦するべきだ」


何を言い出したのだろうと、考える余裕なぞにはもう皆無で
虚ろな目で離れていく五ェ門の顔を眺める

すると、五ェ門はの脇に腕を入れると、彼女を抱きかかえた
いきなりの行為に目を見開いたが、快感を引っ切りなしに与えられ続けた彼女の体は言う事を聞かない

ぴたん、と水の撥ねる音がした

胡座をかく五ェ門に、向き合うようには抱かれていた
今支えられているのは腰で、彼女の両足は五ェ門の腰周りにある
いわゆる、抱っこの状態だ


「な……なに、するのぉ?」

「そんなに不安にならずとも良い」


は自分にそう言いながら笑いかける五ェ門に、悪寒を覚えた
これは確実に何か、自分にとって有益になる事を考えている顔だ、と

は、自分の腹にあたる五ェ門の雄に目を逸らさずにはいられず
かと言って五ェ門がそれを許す筈もない
支えていた筈の手で、五ェ門は濡れそぼっているの秘所に触れた


「ひあっ……!」

「準備はできているな」


言うや否や、五ェ門はの両太ももを掬い上げるとそのまま彼女の腰をやわやわと動かし始める

最初の内は浅く、浅く繰り返される挿入が
次第に五ェ門の思うままの深さまで、それこそが気を失ってしまいそうになる程
抉っては、引き、抉ってはまた引き
まるで、気を飛ばすのを許さないように、緩急をつけて


「あ……やぁっ! ひぅ……ふ、かいっ……」

……っ」


口を軽く開け、涙を流す様はひどく切情を募らせる
五ェ門は堪らなくなり、その口に自分の唇を重ね合わせ
そして、全てを犯すように口内までも氾濫させた

重力のせいで、の口から溢れる唾液は五ェ門の首筋を通る


「んーっ! っ!」


ビクビク、とが二、三度体を大きく揺らした
それに合わせるように、五ェ門の熱が彼女の中に薄膜越しに放出される

五ェ門がそっと唇を外すと、支えを失ったの頭は
こてん、と。彼の肩口に落ちて
荒く、整えようとされる吐息が五ェ門の耳元で響く


「な、んで……急に、こんな……っ」

「急ではない。それに、今日で終わりではないぞ」

「えっ」


思わず顔を上げ、は視線を絡ませた


「日本の伝統で四十八手と言うものがあるらしい」

「……嘘でしょ?」

「今日はあと何回できそうだ?」


翌日の朝になっても、部屋から出てこない
他の面々が同情したのは言うまでもない