写真を撮るために、一行は教会の外へと足を運ぶ
そこはやはり緑の匂いを感じた通り、森の中で
ぽつんと立つ教会の神秘さを、より一層引き立てていた
と五ェ門は寄り添い二人で歩く
その後ろをルパンと次元、そして不二子がついて行く
「ちっくしょう、五ェ門ばっかりよぉー」
「何言ってんのよ! あのの幸せそうな顔見なさいよ!」
「……まだ、イケる。子どもがまだなら、イケるだろ」
老父がテキパキとカメラや脚立の準備をしている
その老父の横で、老婆がニコニコと五人を眺めていた
「本当に結婚式挙げられるなんて、夢みたい」
「もう一つ、贈り物がある」
「なに?」
ブーケを抱え、嬉しそうに笑うに五ェ門は一枚の紙を見せた
それは、戸籍のコピーだった
名前の欄を見て、は跳ねるように五ェ門を見上げた
「これ……私の戸籍?」
「ああ。不二子殿が日本のぱとろん≠ニやらに頼んで手続きをしてくれたらしい」
「じゃあ、私石川になれるの?」
「不二子殿のお陰だ」
完全に泣き出してしまったを、五ェ門は優しく抱き締めた
その光景に、不二子がまた涙ぐみ
ルパンと次元は苦笑いで、彼らの後ろに並んだ
「くぉらぁー!! ルパァーン!!」
突如森の静寂を破ったのは、他でもない銭形の声で
「とっつぁん?!」とルパンが横を振り向けば
そこには今にも迫りくる銭形の姿
「よくもお前! 天使の宿る鐘を盗みおってー!!」
「おいおい! 一番いい時に限ってこれだもんなぁー! とっつぁんも空気読めってんだい!」
ルパン、次元、不二子が走り出す
五ェ門が慌ててを抱き上げると、彼女は弾けたように笑った
ハミングが運ぶ午後二時の鐘